以前小樽に観光に訪れた友人が、タクシーで運転手に「ラーメン屋さんに行きたい」とお願いしたところ「小樽にラーメン屋なんて無い」とあしらわれたそうです。
確かに、私の記憶の中でも子供の頃に家族でラーメンを食べたいと思ったら、所謂”町中華”のお店に行っていました。
最近は小樽市内にもラーメンだけを扱う専門店は多少増えましたが、それでも東京や札幌に比べると少数。
調べてみると、今小樽で人気のあるラーメン屋さんはだいたいみんな2000年前後から営業を開始しているので、タクシー運転手さんのセリフはあながち嘘ではないのかもしれません。
小樽ではまだまだ「ラーメンは中華屋さんで食べる」という文化が根強く残っているのかもしれませんね。
そして小樽にはお蕎麦屋さんも多いのですが、お店によっては「そば・うどん・ラーメン」が一緒にメニューとしてあるお店が割と多い奇妙な文化があります。特に小樽ではうどん屋が存在しないので「そば・うどん」を一緒に提供しているのがデフォルトです。
初代
かま栄の工場から臨港線沿いに歩いていくとユニクロやブックオフが見えてきます。
南小樽駅へ続く急坂と交わるところに位置するお店で、昼時は行列が絶えない小樽でも屈指の人気店です。
味噌を売りにしているラーメン店が多い中、初代のメインは”醤油”
見た目クリアなスープは少し濃いめに感じるのにくどくなくアッサリで、懐かし系醤油ラーメンとは一線を画すしっかりした味わいでとてもおいしい。
北海道ラーメンでよく使用される卵麺ではなく、醤油に合うストレートな麺はツルツルで触感もいい。
東京ラーメンというより何となく徳島ラーメンを思い出す濃い口の味わいですが、それよりもかなりスッキリ。
行列ができるのもうなづける正統派な醤油ラーメンがいただける名店です。
小樽で一番人気「らーめん西や」
駅前と花園公園通りにお店があり、どちらもお昼時には行列ができる人気店。
一押しメニューの”濃厚味噌”はそのネーミングとは裏腹に非常にスッキリした味わい。北海道ならでわの黄色い卵麺によく絡みます。
観光客に大人気「みかん」
南樽市場の裏にあるお店で連日順番待ちの行列ができる人気のお店。暖簾に「純蓮」と書かれているように、全国的にも有名な「すみれ」の暖簾分けのお店のようです。
味噌が一押しなようですが、塩も有名。
味噌とは思えない非常にすっきりしたスープで味噌のコクが香る塩や醤油ラーメンを食べているような印象を受けました。
和食居酒屋の本気塩ラーメン「麺 晄進」
夜は和食居酒屋として営業している「晄進」が昼の間だけ営業しているラーメン店。
塩がメインなようで、和食居酒屋らしい非常に上品なスープと絹のように滑らかな細麺が特徴。
洗練されたスッキリ味のスープは塩なのに不思議と体がポカポカします。
限定メニューらしいですが、個人的には担々麺がおすすめ。花山椒がしっかり効いていて、私が東京時代によく行っていた”Ronfan”に匹敵する美味さ。(―と勝手に評価している)
小樽の深夜食堂「楽々亭」
花園町の飲み屋街の中にある夜から営業開始するラーメン屋さん。飲んだ後の〆なんかでここを利用するお客さんが多いです。
豚骨と鶏ガラ2種類のスープが選べて、麺はおなじみの卵麺。懐かしい味がする濃いめのスープが飲んだ後にはちょうどいい。
以前は焼き鳥なんかもあった気がするんですが、現在はおにぎりやちょっとしたおつまみなどのサイドメニューがいくつかあり、深夜営業なのでお酒も置いているので、深夜におなかがすいたという人にも嬉しいお店ですね。
ミシュラン掲載店「麻ほろ」
色内にある化学調味料を一切使用せず、素材をそのまま生かした製法にこだわる自然派ラーメンを冠したお店。
ミシュランガイドにも掲載されたことがあるそうで、こちらも小樽市内では非常に人気のお店です。
アッサリ醤油とコッテリとんこつの2つのスープから選べて、鶏ガラベースのアッサリ醤油は、どこか懐かしい味がするオーソドックスな醤油ラーメンですが、とても上品なスープはクリアなのにシッカリした味わいです。
鶏ガラ系でこんなにパンチのある味を出せるスープは珍しい。東京でもなかなかお目にかかれない逸品だと思います。
ミシュラン侮れませんねー。
やっぱり北海道は”味噌”ラーメンがデフォルトなんでしょうね。観光客を意識してなのか、どこに行っても看板メニューは味噌。たまに塩や醤油のお店もありますが、少数派な気がします。
東京で食べる味噌ラーメンはよくニンニクで誤魔化しているところが多いですが―(勝手な憶測です)
北海道の味噌ラーメンは、味噌なのに意外にアッサリ。くどくもなくスッキリ飲める軽めのスープに縮れた卵麺がよく絡むのが特徴な気がしますね。
んー、私はやっぱり東京ラーメンのような、不健康そうなパンチのある味の方が好きかな・・・